気管支喘息
まず、気管支喘息とはなんだろうか。
気管支喘息とはなんぞや?
ここが一番大事!!
気管支喘息とは、”気道が慢性的な炎症を起こしている状態”
である。
つまり、喘息治療の原則は、抗炎症作用のある吸入ステロイドが基本になっていくということ。
ここでは、局所的に作用し、副作用が少ないため頻用されている、吸入系の薬剤を中心に解説し、そこから付随して、経口薬や貼付剤などを勉強していきます。
喘息の吸入薬には、大きく分けて2種類ある。
長時間作用型と短時間作用型である。
長時間作用型は長期管理薬と呼ばれたり、コントローラーと呼ばれたりもするぞ。
短時間作用型は発作治療薬と呼ばれたり、リリーバーと呼ばれたりもする。野球のリリーフと一緒だね。ピンチになったらでてきて、アウトをとってかっこよく帰るみたいな。リリーフには、「救援」みたいな意味があるぞ。
ではまずは、長時間作用型(コントローラー)の説明から。
長時間作用型には主に2種類、ステロイド剤と長時間作用型のβ2刺激薬です。
ステロイド剤の強力な抗炎症作用により、気道の炎症を治していく!つまり吸入ステロイドは気管支喘息の根本治療薬といえるんだ!!
それに対して、β2刺激薬は気管支を拡張させて、呼吸を一時的に楽にするだけ。その場しのぎ。その場しのぎであとは自分の自然治癒力待ち。
ただ、効果があらわれるまでの時間はβ2刺激薬のほうがはやい(約20分)から、何にもしらない患者さんからしたら、β2刺激薬のほうがなんだか効いている気がして、そっちばっかり使いたくなっちゃうんだ。
薬剤例
吸入ステロイド : フルタイド(プロピオン酸フルチカゾン)・・・ステロイド単剤としては、最もよく使用される吸入ステロイド 詳細
2007
オルベスコ(シクレソニド)・・・1日1回の吸入で良い。
アルデシン、キュバール(プロピオン酸フルチカゾン)
パルミコート(ブデソニド)
吸入長時間型β2刺激薬 : セレベント(キシナホ酸サルメテロール)・・・日本唯一の吸入長時間型β2刺激薬 詳細
次は短時間作用型(リリーバー)の説明です。
リリーバーの代表は、やっぱり短時間作用型の吸入β2刺激薬です。
効果の発現が、使用後3〜5分と非常に早く、すぐに呼吸が楽になるため、おお!効いているぜ!!と実感できるようです。
ただ、先ほども申しあげたとおり、あくまでも喘息の治療は気道の慢性的炎症を改善する作用のある吸入ステロイドであり、β2刺激薬はその場しのぎです。
基本は吸入ステロイドとの併用で使用します。普段は吸入ステロイドで治療しつつ、発作が起きた時はリリーバーみたいな感じで。
薬剤例
吸入短時間作用型β2刺激薬 : サルタノール(サルブタモール)
メプチンエアー(プロカテロール)
メプチンキッドエアー(プロカテロール)
ベロテックエロゾル(フェノテロール)
ベネトリン吸入液(サルブタモール)
メプチン吸入液(プロカテロール)
さて、ここまでお勉強してきたことを一度表にまとめてみます。
表
この表により、気管支喘息治療の問題点が浮き彫りに。
治療には吸入ステロイドの毎日の定期的吸入が絶対不可欠なのに、β2刺激薬に比べて、即効性がなく、発作時には全然役にたたない、効果を実感しづらいなどの理由から、患者のアドヒアランスは低い状態にあり、そのせいで、治る喘息も治らないという人が多々いる。
そんな喘息治療氷河期に突如舞い降りたパチンコCRエヴァンゲリオンでいう渚カヲル君並の救済キャラ、いや救済薬剤!!
その名も、、、
『アドエア』 詳細
吸入ステロイドのフルタイドと長時間作用型β2刺激薬のセレベントの合剤です。
これにより、たった1剤で、β2刺激で気管支を広げ効果を実感しつつ、ステロイドの抗炎症作用で根本治療が出来てしまうのです。
カヲル君の言葉を借りるなら、まさしく人類の文化の極みです。まあ、いいすぎですが。
アドエアが開発される前は、おんなじことをしようとしたら、フルタイドとセレベントをそれぞれ1日2回吸わなくてはならないため、持ち運び、吸入ともに面倒で、アドヒアランス悪かったらしいです。
ありがとうカヲル君☆・・・いや、アドエア君。
さあ、以下は、吸入薬の使い方を解説しているメーカーのHPです。服薬指導するときのために覚えましょう。
ディスカス 文書解説 ビデオ解説
エアゾール 文書解説 ビデオ解説
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