- 薬学ブートキャンプ -

頭痛

 



パトリオットミサーーーーーイル!!


チュドーンッ!!





げほっ げほっ



やあ入隊希望者のみんな! そろってるな!



1、2、3、、、 全部でちょうど100人か。。




今年はちょっと多いなあ。。




まあ、毎年最後まで残るのは一人か二人だけどな。




これから君たちには社会に貢献できる最強の薬剤師になるためのプログラムに参加してもらう!




その名も、軍隊式薬学勉強法 『薬学ブートキャンプ』 だ!!




そして俺が究極無敵銀河最強教官として名高いセニョールビリーだ!!




よろしくな!!




このプログラムをすべて終了したころには、相当な力が付いているはずだ!!




俺を信じてついて来い!!




生徒「うわっ、熱血だ。俺こういう人苦手なんだけど。」




おいっ!きみっ!!今なんて言った!?




生徒「えっ・・・・・地獄耳・・・・・えっ・・・・・」




ガスッ   ボギッ   ガゴッ   ズガッ




生徒「あ、あ、あ、あ、あべしぃーーーーー!!」 




ぷしゅ〜ん。。。





なんだ、もう一人脱落か・・・




みんなもこうならないように気をつけるんだ。






さあ、さっそく今日のプログラムを始めようか!!




その前に、今日勉強する内容に目を通しておくんだ!




              頭痛


片(偏)頭痛 : 若い女性に多い
          片側性・拍動性の頭痛を反復する
          セロトニン枯渇による血管異常拡張が痛みのもと
【治療薬】

予防・・・ロメリジン(テラミス,ミグシス)

発作時・・・スマトリプタン(イミグラン)
       エルゴタミンの配合剤(カフェルゴット,クリアミン)
       NSAIDs




緊張型頭痛 : 筋収縮による頭を締め付けられるような、非拍動性・両側性の頭痛。
          治療薬は特にないが、ストレスを避け、規則正しい生活をおくろう!




群発頭痛 :  若い男性に多い
          目の奥の激痛が群発的に起こる
【治療薬】

  スマトリプタン,エルゴタミン配合剤
          





今日のテーマは『頭痛』だ!!




重要な頭痛は次の三つだ!!覚えてくれ!!




片(偏)頭痛,緊張型頭痛,群発頭痛だ!!




また、この三つは一次性(機能性)頭痛とも呼ばれたりするぞ。




そのほか、二次性(症候性)頭痛なんてのもあるが、




これは感染症や頭蓋部の外傷などにより二次的に引き起こされる頭痛のことだ。




じゃあまずは片頭痛からトレーニングしていくぞ!!




【定義】一次性(機能性)頭痛のうち、頭痛時に嘔心・嘔吐ないしは光・音過敏を伴う,
発作性かつ慢性反復性の拍動性頭痛をいう。




40歳以前の女性に多く、また、家族性のことが多いため、




何らかの体質が関与すると考えられているんだ。




片頭痛はどうして引き起こされるか知っているか?




詳しい原因はまだわかっていないが、




まず何らかの誘因で血小板からのセロトニンの放出が起こる。




セロトニンには平滑筋収縮作用があるからね!




それによって、頭蓋内外の血管が収縮することから始まるんだ。




そして、そのセロトニンが尿中に排泄され血中から枯渇すると、




今度は頭蓋内外の血管が異常拡張を起こす。




この血管異常拡張が拍動性の痛みを引き起こすとされている。




さらにその後、動脈壁に浮腫が発生して持続性頭痛を生じるんだ。




以上が片頭痛の起こるメカニズムだ!!わかったか?




ちなみに、片頭痛が起こる直前には目の前がキラキラ光るなどの前兆が発生するんだ。
(前兆を伴わないこともある。)




前兆に引き続き、通常片側の拍動性頭痛が生じ、食欲不振、悪心嘔吐などを伴うことが多いぞ。




コーヒー、お茶、チョコ、チーズ、アルコールなどの嗜好品や光、ストレス、不眠などは




片頭痛の誘因となるから要注意だ!!




また、レセルピンやニトログリセリンなどの薬品により発作が誘発されることもあるぞ。




頭に入れておいていくれ!!




さあっ!これらを踏まえていよいよ今度は薬剤を見ていくからね!




しっかりついてきてくれ!!




まずは片頭痛の予防薬だ!




発作頻度が多ければ、予防が必要になってくるからな。




予防するにはどうすればいいか、予想がつくか?




はい、そこの最前列で下を向いている君!答えてみるんだ!




生徒「はい?ん〜・・・・・き、気合・・・・・ですか・・・・・??」




ビリー教官は生徒の額にある秘孔をついた。




ピキーン!!




生徒「え?・・・・・・・・・あ?・・・あべしっ!!」




ぷしゅ〜ん。。。




みんな、思い出してほしい。




片頭痛の始まりはなんだったかを。。




そう!血小板からのセロトニンの放出による頭蓋内外血管の収縮だったよな!




と、いうことは・・・




生徒「血管の収縮を起こさないようにする薬剤を使えばいいんですね!?」




そういうことだ!




β遮断薬やCa拮抗薬なんかを使うんだ!!




特に、Ca拮抗薬のロメリジン(テラミス,ミグシス)がよく処方されるぞ!
(その他、保険適応外であるがβ遮断薬,バルプロ酸Na,三環系抗うつ薬のアミトリプチンなども使用される。)




それじゃあ今度は、発作が起こってしまった場合には、なにを使うだろう?




生徒「えーと、、発作の正体は血管の異常拡張だから・・・血管収縮薬を使えばいいと思います!」




そうだね!もっと言うと、その血管の異常拡張はセロトニンの枯渇のせいだったよね。




発作治療には、虚血性心疾患や血管障害などの禁忌となる症状がなければ、




セロトニン5−HT1B/1D受容体作動薬のスマトリプタン(イミグラン)が第一選択薬として使われる。




もし無効でも、他のトリプタン系が有効なことがあるから試してみるんだ。




その他に麦角アルカロイドのエルゴタミンの配合剤 (カフェルゴット,クリアミン)も使われるぞ!




あれ?でもちょっとまって!麦角アルカロイドってα遮断薬に分類されてなかったっけ?




血管が拡張してよけいに頭痛が悪化する気がしない??




でも、そうじゃないんだ。ちゃんと血管収縮作用を持っているんだよ。




たしかに麦角アルカロイドはα遮断を持っているんだけど、




その他に強力で 直接的な血管・子宮収縮作用も持っているんだ!!




だからOKなんだね!




忘れてた人は、もう一度、麦角アルカロイドについて復習しておくんだ!




 
  麦角アルカロイド(エルゴタミン,エルゴメトリン etc...)

α遮断作用
・抗セロトニン作用
直接的な平滑筋(血管・子宮)収縮作用
・CTZのドパミンD受容体を刺激して催吐作用を示す(あまり強くない)

エルゴタミン・・・片頭痛治療

エルゴメトリン・・・α遮断作用が極めて弱く、子宮収縮力が強いため、    分娩後などの子宮出血予防・治療に使われる。

また、麦角アルカロイド誘導体のヒドロエルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン(ジヒデルゴット)はα遮断作用を強め、平滑筋収縮作用を弱めたものである。





その他の薬剤として、軽度の頭痛やトリプタン系やエルゴタミンが無効な場合は、




NSAIDsが使用される。また、頭痛に伴う悪心・嘔吐には




ドンペリドン(ナウゼリン)やメトクロピラミド(プリンペラン)が併用されるんだ。




以上が片頭痛についてのトレーニングだ!!




あとは残りの緊張型頭痛,群発頭痛について簡単に説明して終わるからな。




緊張型頭痛は最もよくみられる頭痛で、精神的なストレスによって誘因されることが多い。




頭が締め付けられるように痛くなる、筋の収縮による非拍動性・両側性な頭痛だ!!




治療薬は特にないが、誘因となるストレスを避けて、十分な休息をとるようにしよう。




補助的に筋弛緩薬や抗不安薬を用いることもある。




群発頭痛は20〜30歳代の男性に多く、片側性の目の奥をえぐられるような痛みが




一日のうちの決まった時間、特に夜間に何度も起こる。




そんな発作が数週間から数ヶ月の間、連日して現れ一定期間が過ぎると消失する。




その後、半年から一年以上の寛解期をおいて、再び連日の発作が起こる。




発作が群れをなして襲ってくるイメージだな。だから群発性っていうんだな・・・たぶん。。




生徒「たぶんて・・・教官も結構あいまいなんじゃ?」




そのとき、生徒の背後から白王(ビリー教官の飼っている馬)が現れた。




ヒヒーン!!




生徒「あべしー!!」




ぷしゅ〜ん。。。




私語は慎め!!




群発頭痛の治療薬には片頭痛のように、トリプタン系やエルゴタミンを使うんだ。




さあ、かなりいろいろ言ったけど、これが今日のまとめだ!もう一度確認してみてくれ!!




 
                       頭痛


片(偏)頭痛 : 若い女性に多い
          片側性・拍動性の頭痛を反復する
          セロトニン枯渇による血管異常拡張が痛みのもと
【治療薬】

予防・・・ロメリジン(テラミス,ミグシス)

発作時・・・スマトリプタン(イミグラン)
       エルゴタミンの配合剤(カフェルゴット,クリアミン)
       NSAIDs




緊張型頭痛 : 筋収縮による頭を締め付けられるような、非拍動性・両側性の頭痛。
          治療薬は特にないが、ストレスを避け、規則正しい生活をおくろう!




群発頭痛 :  若い男性に多い
          目の奥の激痛が群発的に起こる
【治療薬】

  スマトリプタン,エルゴタミン配合剤
          






今日のプログラムはこれで終了だ!!




明日に備えて十分体を休めとくんだ!!




疲労や不眠などは頭痛の誘因となるからな!!




それじゃあ、またな☆





 
プログラムT 頭痛  終了

本日の脱落者 3名     残り 97名






                         〜 補習授業 〜


 【服薬指導】

 ■スマトリプタン

 ・ 頭痛患者はエルゴタミンを服用していることが多いので、投与前にまずこれらの薬剤の服用を確認する。    

 ・ 発作時のみに使用し、予防的には使用しない。

 ・ 本薬投与により全く効果が認められない場合は、追加投与せず、再検査の上、頭痛の原因を検討する。

 ・ 片頭痛あるいは本剤により眠気を催すことがあるので、運転など注意するように指導。


 ■エルゴタミン

 ・ 頭痛が治まらないからといって追加投与しても無効なことが多い。

 ・ 長期連用によって慢性頭痛の原因となるので、予防目的で漠然と服用してはならない。




【暗記法】

  想像してください。私の友人に、SMAPの草なぎ剛に似ている人がいます。その友人はかなり細くて、
 顔が白くて、ぱっと見、不健康なんです(笑  その友人はよくスマトリプタン(イミグラン)を飲んでいます。
 そうです!片頭痛もちなんです。大変ですねぇ。。
 
  草なぎ剛似の友人は片頭痛

  SMAP似の友人は片頭痛

  SMAPは片頭痛

  スマトリプタンは片頭痛治療薬!

 
 ・・・・・・おそまつさまでした。。

  

  

 





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